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映画鑑賞の絵日記ブログ
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「椿三十郎」(監督:黒澤 明・1962年)

<梗概>
 夜、ある城下外れの森・・・太い杉木立の奥にある社殿の中で、若侍たち九人が興奮を抑えたひそひそ声で話し合っている状況から始まる。
 どうやらこの若侍たちは正義派らしく、その中の一人、"城代"家老の甥の"井坂"(若侍のリーダー的存在)は、殿御出府中の留守を預かる城代に、「次席家老の"黒藤"と国許用人"竹林"の汚職を知りながら、今日まで見逃している。奸物を除く為に我々と共に決起して欲しいと頼んだが、『一番悪い奴はとんでもない所にいる』と言いながら、持参した意見書を破ってしまった。そこで、城代に見切りをつけ、大目付の菊井に、城代との経緯(いきさつ)を語り、決意を申し述べると、驚いた風だったが、『よろしい、共に立ちましょう、ついては、皆とあって話し合いたい』と言ってくれた」と、同志(若侍たち)に報告した。
 若侍たちは、大目付 菊井は本物だ! 話のわかる頼れる人物だ! と喜びあった。そこへのそっと現れたのは、よれよれの紋付袴の浪人(椿三十郎)で、「傍目八目・・・話してる奴よりも話の本筋がよくわかる。(身構える若侍たち)・・・まぁ聞きな・・・俺に言わせりゃあ、城代家老が本物で・・・その大目付の菊井って奴は眉唾だぜぇ!・・・・・・それから、菊井がオメェたちと話しあいてぇから至急集まれって話も・・・こりゃあぶねーぜ。大目付が黒幕だったら集めといて一網打尽とくらぁ」と言う。
 若侍たちが半信半疑でいるうちで、はや社殿はぐるりと取り囲まれ、「大目付 菊井殿の手の者だ。神妙にしろ」の声。浪人ははやる若侍九人を社殿の床下に隠れさせ、ゆうゆうと捕手たちをあしらう。彼の手並みを見た菊井の懐刀"室戸半兵衛"は、仕官の望みがあるなら俺の所に訪ねて来いと言い残し、数百人の部下と共に社殿から引き上げた。
 若侍の危機は脱したが、そうなっては城代が危ないと予測した三十郎は、若侍達に案内させ、邸に駆けつけてみると、案の定、邸は菊井の手の者に押し込まれ、城代は拉致されてしまった様子。それでも、室戸の目を盗み、見張りを二人倒し、一人を人質にし、城代夫人と娘"千鳥"を救い出して、若侍の"寺田"の家に落ち着いた。
 彼の家は椿屋敷と呼ばれる黒藤家の隣。椿の花が真っ盛りである。
 先手を打った菊井一味は、城代家老に非違があったゆえ、監禁したから、静観するようにと早くも城中に非常太鼓で触れ、一方では若侍一味を多勢と思い、陽動作戦を行って、彼らをおびき出そうとした。
 若侍たちは危うくそれに乗りそうになるが、三十郎に助けられる。彼らは何度も助けられながら、三十郎の信用しきれず、室戸のもとへ乗り込んだ彼の後をつけ、かえって四人捕らえられる始末だったが、三十郎の無敵の強さにまたも助けられて、信用しきれなかった彼らもようやく目が覚める。
 城代の監禁場所が黒藤邸の土蔵の中とわかり、三十郎は再び敵地に乗り込み、黒藤邸を固める菊井の手勢を欺いて城下から離れた場所におびき出す。その隙に椿の花を黒藤の邸から寺田の家へ流れている泉水に投げ込み、それを合図に九人の若侍たちは城代救出に駆けつける計略を立てる。
 手はず通り、三十郎に欺かれて、菊井の手勢は黒藤邸を出て行った。しかし、椿の花をもぎ取っているところを室戸に見咎められ、はかりごとはばれてしまう。三十郎は捕らえられながらも、手勢を呼び戻しに室戸が出て行った留守を伺い、詭計をもって竹林や黒藤の三太夫に自ら椿の花を流させ合図した。
 一件落着の後、城代家老の邸で祝宴を設けたが、三十郎の姿はない。夫人が若侍たちに後を追わせてみれば、城下を出た街道のはずれで対峙する二人の武士―三十郎と室戸である。
"これからの二人の決闘は、とても筆では書けない。長い恐ろしい間があって、勝負はギラッと刀が一ぺん光っただけで決まる。室戸半兵衛は倒れている"
(シナリオより)

以下、『悪魔のように細心に! 天使のように大胆に!(黒澤 明・1975年)』p91より抜粋。
「椿三十郎」について
「用心棒」が冬の感じの狂想曲なら「椿三十郎」は大らかな春の感じの優雅な円舞曲です。
 春風駘蕩といった雰囲気のところへ抜き身をぶら下げた三十郎を登場させる。そんなものを狙っています。
 人間が武器を持つ恐ろしさ、殺し合いのはかなさを徹底的に描き、口ばかり達者で実は何も出来ない若侍達の可愛さを強調したい。
 まず映画は人に見られるためのもの、映画の醍醐味をたっぷり盛って映画の魅力を出来るだけ多くの人に知ってもらいたい。
 それが僕が娯楽時代劇をとる理由である。
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